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なんとなく、ひばりくんに会うのが気まずい。そう思ったら3日経っていた。 * あれから3日間経った。もう3日間も彼に会っていないのだ。メールも、電話もしてない。今までの私だったら信じられない。だって今まで彼と出会ったときから私毎日、ひばりくんに会いたいって思って、そう思わない日はなかったから。それなのにこんなの以上だ。私はそっと窓の外を見る。校門のところに人影が見えた。3日前から、いる。黒い学ランと黒い髪。気付いていたけれど私はわざわざ裏門を通って帰った。裏門は私の家とは真逆の方向にあって、遠回りだったけれど、私はそっちを選んだ。きっと私は確認したくなかったのだ。 だって、もしかしたら、違う人かも。別の誰かの彼氏とか、そういう可能性も、ある。うちの学校だって学ランだから、普通に東中の生徒かもしれない。期待して、絶望したくないんです。それと同時に私は彼であってほしくなかった。だって、きっと彼が私に用があるとしたら「別れよう」以外にないと思ったから。私はそれが聞きたくなくて逃げていた。絶望したくなかった。私は彼を絶望させたというのに。私は彼をひどく傷つけたというのに。そもそも、元々彼は私のこと、好きじゃなかったかもしれない。私が一方的に彼のこと好きだっただけで、彼は私のこと全然これっぽちも好きじゃなかったかもしれない。私はひばりくんに助けれられて一目惚れしてしまったけれど、逆はない。彼も私のこと好きなんて状況不自然だったんだ。そういえば、ひばりくんから「好き」って聞いたことなかったな。告白してオーケーもらえたから私舞い上がってた。なにも見えちゃいなかった。それとも彼のこと信じたかっただけなのかな? 「ひばりくん、好きだよ…」 声に出したら泣きそうになった。心臓のあたりがきゅーって痛くなって、しにそうだと思った。よかった、ここ裏門で。人がいなくて。泣いているところ人に見られるなんてかっこ悪い。よりいっそう惨めだ。 声になんて出さなきゃよかったなぁって後悔した。声に、形にしたら、好きだって気持ちが溢れてくるみたいだった。絶対私彼に初めて会ったときより、ずっとひばりくんのこと好きになってる気がする。ひばりくんはすごくかっこよくて、勇気があって、正義感が強くて、そんなの最初から知ってた。でも、私の頭をなでる手とか、私に向かって微笑む顔とか、付き合わなかったら私一生知らないままだった。やさしくあまい声色で私の名前を呼ぶ声とか。できることなら、もう一度その声で私の名前を呼んでほしい。そんなの、叶わない願いだって知ってるけど。 |