お昼休み、私は3つの机をくっつけて、友達とお昼ご飯を食べながら、もしこの教室に彼がいたらどうだろう、とか考えていた。それって素敵なことだよね。もしひばりくんがクラスメイトだったら素敵。だけど、事実ひばりくんはクラスメイトどころか同じ学校ですらないので。そういうとき、ああひばりくんに会いたいなぁって思ったりして。

「隣のクラスの、何だっけ名前。さきだっけ?あいだっけ?忘れちゃったけどあの子の彼氏並中の不良にいきなりボコされたらしーよ」
「あー知ってる知ってる。やったのあの風紀委員長でしょ」
「それは知らないけど。そうなの?」
「つーか並中の不良って風紀委員しかいないんじゃない?」
「とにかくそれであの子が激怒してる、らしい」
「へー、でもあの子の彼氏も不良じゃなかった?自業自得」
「それ自業自得の使い方あってるの?」
「微妙」

私はお弁当のたこさんウインナーを頬張りながら友達2人の会話を聞いていた。会話に加わらないでひたすら口をもぐもぐ。へー、世間では今そんな事件が起こっているのかー。噂話とか全然知らない私はこういうの勉強になります!でも彼女たちの話はどんどん違う方向に行って真っ直ぐ進んだためしがないのでどれも役に立たない中途半端なはなしでしかないのですが。しかもその大半がくだらない話です!(今日のは比較的マシ?)

「そういえばの彼氏って並中?」
「そうだよ!」
「あんたの彼氏は大丈夫なの?」
「大丈夫、ひばりくん強いし!」
「あ、の彼氏ってひばりって名前だっけー?」
「そうですよ、ひばりくんです!」
「雲雀って…あの風紀委員長の名字もヒバリじゃなかった?」
「違うよーひばり違いだよ。ひばりくんのひばりは名前の方だよ」
「そうなんだ?」
「それに私のひばりくんはいきなり人を殴ったりとかしないよ!強いけどやさしい人だよ」
「そーですね。あんたの"ひばりくん"はね」
「そもそもが不良なんかと付き合えるわけないよね」

なんだーその言い方!私だって不良と付き合えたりし…とそこまで言って私は口をつぐんだ。ないです。無理です。だって、ひばりくん以外と付き合うとか考えられない!って言うとまた「のろけだ!」ってからかわれるので黙っていました。言わなかったけど、これ本当のことだよ。

「あ、メールだ」ヴーヴーって震えてる携帯を見てみるとディスプレイに"ひばりくん"って私が登録した名前が光っていた。ひばりくん…!ひばりくんからメールだ!私は慌ててメールボックスを開こうとして、携帯を落としてしまった。うわ、傷ついたかも…。でもそんなこと気にならなかった。だって、ひばりくんのメールだ。

今日迎え行くから待ってて

迎え、だって。え、うそ、そんなん彼女みたいじゃん私。彼女なのか。そっかー私ひばりくんの彼女なのかー。えへへ。そう思ったら自然に頬が緩んでしまう。私彼女なんだー。学校までお迎えって、放課後一緒に帰るって、すごく恋人同士っぽい。憧れだ。 そしたら「なーににやけてんのよ」って小突かれた。「どうせ彼氏からのメールでしょ?」って何でばれたんだ!



私は彼からのメールがすっごい嬉しくて、午後の授業は全然集中できなくて、ぼーっとしていたらしく先生に2回ずつ当てられた(答えられなかった)。休み時間ごとに携帯をパカパカ開けて、メールボックスを開いてみたりして。何度見てもひばりくんからのメールは消えずに残っていて、画面がキラキラ輝いて見えた。そうだ、このメール保護設定しとこう。早くひばりくんに会いたい。放課後まで待てないよ