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数日ぶりにアジトに帰ると親方様がにやにや笑いながら待っていた。
「おう、バジルお帰り。どうだった執事の仕事は?」 「悪く、なかったですよ」
行くときはあんなに気分が重かったのが嘘みたいだ。意外とこの数日間楽しめたし、たまにはこういう突拍子もない任務も良いかななんて思う。本当にたまになら。「そうか、そりゃ良かった」と親方様は拙者の顔を見て言った。なんとなく、この人には全て見透かされているような気がしてならないのだが。
「また急で悪いが、次の任務行けるか?」 「問題ありません」
これからまた日常に戻るだけだ。それなのに、どこか味気ないと感じてしまうのはなぜだろう? ポケットに手を入れると、かさりと何かに触れた。取り出してみると小さく折りたたまれた紙だった。開いてみると、一言だけ走り書きされている。
ちゃんと約束は守ってね
それだけでこれが何を示すか分かった。自然と笑みがこぼれる。まったく、彼女らしい。
「おい、バジル何してるんだ?行くぞ」
メモを丁寧にたたみなおし、「はい!」と返事をして親方様を追いかける。本当に、悪くない数日間だった。どこまでもいつまでもお供しますよ、お嬢様。
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