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とりあえず走って出てってしまった浜田を泉に追いかけさせて、誤解を解いてもらうことにした。なんで私が行かなかったかというと、それどころじゃなかったわけで。頭がごちゃごちゃしてそれどころじゃなかった。このとき私が行っていたら、何かが変わったでしょうか。 05 こういうとき、友達にこの恋を話しておかなかったことを後悔する。言わなかったわけじゃない、話したくないと思ったわけじゃない。ただ、なんとなく、タイミングが掴めなかっただけ。なぜか、私たちはあまり恋の話をすることがなかった。私から話せば彼女ならきっと親身になって話を聞いてくれただろう。それなのに、恥ずかしがって言わなかった私が悪い。だから、結局出来れば頼りたくない相手に頼ることになってしまうのだ。 「泉、今日部活なくて暇でしょ。ちょっと私に付き合いなさいよ」 「ハンバーガーとポテト。あ、あとコーラ」 「何?」 「それで手を打ってやらないこともない」 「なんで私が奢らなきゃならないのよ」 「どうせ浜田のことだろ?一回目はただで相談乗ってやったんだ。次から有料」 と泉はさも当然のように言った。確かに私がお願いしている立場なんだけどさ、いくらなんでもハンバーガーとポテトに飲み物付きは多くないですか?必死の交渉の結果、ドリンク一杯でなんとか取り付けてもらった。本当に、相談できる奴がこいつだけなんて、私はなんてばかなことをしたんだ、とファーストフード店で席に座りながら思った。 「で?」 「はい?」 「用件。早く言えよ。オレはこれ飲み終わったら帰るからな」 「え、ちょっと待ってくださいよ」 泉だったら本当にやりかねないと私は慌てた。でもいざとなるとどう切り出していいか分からなくなる。言いたいこと、沢山あったはずなのに。誰かに聞いてほしいって思ってたのに。なぜだか胸が詰まる。 「あの、今日のアレは効果あったんでしょうか?」 「ない」 「ですよね」 「まぁ、それでもあいつは慌ててたけどな」 確かにあのとき浜田は慌ててたけど、それはどちらかというと泉と私の組み合わせに驚いていただけで、私がどうのこうのは関係なかったような気がする。泉と私はとてもそういう関係には見えないだろう。どう考えてもそう見えない友達ふたりの組み合わせだったから。ただそれだけだと思う。やっぱり、 「泉とは失敗だったかー」 「お前、無理矢理オレに協力させといてふざけんなよ」 やっぱりね、世の中ドラマみたいに上手くはいかないんですよ。私はこれが精一杯なんですよ。現実は上手くいかないことの方が多くて、それは分かりきってたことだったのに。全く上手くいくなんて期待してなかったのに、実際失敗するとなぜかがっかりしてる。これからどうすればいいのかな。これからまたどうやって頑張ればいいのかな。分からなくなる。元々、分かってることなんてひとつだけしかなかったけれど。 「お前、もうまどろっこしいことやめてもう一回言って来い」 それでも泉が私のこと励まそうとしてくれているのが分かるから、やっぱり彼がいてよかったな、と思う。彼が友達でよかったな、と。もう一度、今まで通り、正攻法でいきたいと思います。やっぱり私らしくが 一番だよね? |