突然、解雇宣言をされました。

その日、私はホームルームが長引いて少し遅れて応接室に行きました。雲雀さんに怒られてしまう、と全速力で走って応接室に行きました。そういう日に限って風紀委員の会議があって、なんてついていないのだろうと勢いよく応接室の扉を開けました。ギリギリ間に合ったはず。しかし扉を開けるとなにやら雲雀さんと草壁さんを始めとする風紀委員の偉い人たちが話し合っていて、私が派手にドアを開けた途端一斉にこちらを振り向いた。特に雲雀さんはものすごく不機嫌そうな顔を私に向けて例の言葉を言ったのです。

「君明日から来なくていいから」

ああ、やっぱり間に合わなかったんだ!もしくは私が今まで失敗を繰り返していた結果、私は役に立たないと判断されたのだ!きっと皆さんの顔が深刻なのも今までそのことを話し合っていたからに違いない。

「迷惑、かけてすみませんでした。今までありがとうございました」

そう言ったと同時にさっき駆け込んできたばかりの部屋から飛び出した。「ちょっと、」と誰かが声を掛けたけれど無視してしまった。ごめんなさい雲雀さん皆さん。私は一生懸命頑張ってるつもりだったのですが役に立ってはいなかったのですね。確かに私は他校の不良さんをやっつけることも出来ないし、雲雀さんは私に書類の整理とか雑用しか頼めない。それなら私じゃなくたっていいんですよね。足手まといはいらないってことですよね。素行もいい方じゃないし。今現在も廊下を全速力で走っているし。風紀委員じゃなくなっちゃうと、明日からもう雲雀さんの役に立つことも出来なくなっちゃうんだなぁと思うとちょっぴり悲しかった。まぁ今までだって役に立っていたかどうか疑わしいわけですが。とりあえずもうすぐ昇降口だからそこまでこのまま全速力で走り続けようと思った。でも結局は疲れただけだった。下駄箱に手をついて乱れた呼吸を整えているとふと人影が差した。顔を上げる。どうしてあなたがここにいるのかなぁ。

「よかった、泣いてない」

そう言って雲雀さんはふわりと微笑んだ。応接室を飛び出した私の心配をして追いかけてくれたのかなぁなんて都合のいいことを思った。「泣いていませんよ」でも本当は今雲雀さんの顔を見て泣いてしまいそうになった。気付かれていないといいけれど。
080123*kaco